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24 まぐれだよ!

Auteur: 栗栖蛍
last update Dernière mise à jour: 2025-06-05 08:30:03

 始まりの合図は、智が呟いた「行くよ」の言葉だ。

 声は聞こえなかったけれど、遠くに居る彼の唇を読んで芙美は息をのむ。

 二人が同時に間合いを詰めて、剣に見立てた棒を振り下ろした。広場に響くのは静寂と足音、そして叩き合う鈍い木の音に時折吹く風に混ざる呼吸音だ。

 二人の動きは速いけれど、どうにか目で追うことができた。攻撃の一つ一つが相手を本当に切り込んでしまいそうで、芙美は塞ぎたくなる瞼をこじ開けて二人を見守る。

 ぎゅうっと汗ばんだ手を握り締めると、

「怖くないよ」

 横から咲が手を繋いでくれた。

 細くて華奢な手だ。ホッとするその温もりは、以前にも覚えがあるような気がした。

「ありがとう、咲ちゃん」

 いつかどこかで感じた懐かしさを噛み締めて、芙美は二人へ目を凝らす。

 攻撃と防御が繰り返される流れが乱れて、間合いを抜けた智の剣先が一瞬早くとどめを撃ちに行く――彼が勝ったと芙美が思ったのと同時に、咲が確信を込めてその結末を口にした。

「ほら、やっぱり湊の勝ちだよ」

「そうなの?」

「あぁ。よく見てよ」

 芙美が慌てて視線を返すと、向かい合っていた筈の二人の位置が変わっていた。湊が背後に立って、智の剣先を頭上で握りしめている。

「真正面から突いても、湊相手じゃ喰われるだけだよ」

「咲ちゃん、詳しいね」

「大好きだから」

 咲はニコリと笑う。

「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」

 二人の勢いが止んで、智が悲痛な声を上げた。

「俺の勝ちだな」

「お前、本気で殺しに来ないでくれる?」

「そこまでしてない」

 湊はパッと智の武器から手を放して、得意気な笑みを滲ませた。

 悔しがる智に咲が駆け寄って、「惨敗だな」と肩を叩く。

「湊を挑発したお前が悪い。そんなに悔しいなら、私と戦ってみないか?」

「は? 咲ちゃんと俺が?」

「見てたら私もやりたくなっちゃったの! 一回だけだから、お願ぁい!」

 咲は可愛く手を合わせると、「ちょっと貸して」と湊から武器の棒を奪った。片手に握り締めた棒の先端を智に向けて「ね?」と構える。

「海堂、遊びじゃないんだぞ? そんな格好でやめとけよ」

 呆れ顔の湊の注意にも、「平気平気」と咲はやる気満々だ。

 ミニスカートでヒールをはいた咲に、戦闘経験があるとは思えない。さっきの「大好き」は、『観戦する』の意味ではないのか。

「危ないよ、咲ちゃん」

 心配する芙
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